コーヒーを出さない喫茶店と、自転車を売らない自転車屋さんの手ぬぐい

墨田区向島に店を構える二つのお店の手ぬぐいを作りました。
一店目は、千輪(ちりん)さん。
自転車を売らない自転車屋さんです。
千輪さんのサイトトップページに書かれているメッセージで、その理由がわかります。
"千輪は自転車を新しく買うのではなく、
お持ちの自転車を永く大切に乗って頂けるように
お手伝いしたいと考えています。
自転車の寿命は、修理(なお)せなくなるまで。
今まで何気なく乗っていた自転車に
お気に入りの可愛い小物を 一つ
取り付けてみませんか?
不思議と愛着が湧いてきます。"
千輪さんには、ご近所の“モノ”を大切にする人たちがひっきりなしにやってきます。
修理を待つ自転車たちは、どこにでも売っているようなごく普通のモノです。
でも、お店のブログを拝見すると、「ご主人に買ってもらった長年使っているもの」「亡くなった夫のもの」「お姉ちゃんのおさがりだけど、自分の好きなイメージにカスタムしたい」などなど、一つ一つ、大切なストーリーがあることがわかります。
千輪さんの手ぬぐい制作をすることになったとき、「千輪さんと自転車」についていろいろ考えました。
なかなかまとまったイメージにならない中、ヒントをもらったのが、千輪さんの2018.11.22の日記の投稿でした。
”もしベビーカーがパンクしたら、先ずは近くの自転車屋さんを訪ねると良いかもしれません。写真のようなチューブなら自転車と同じように修理できます(^_−)−☆”
ベビーカーに乗っていた赤ちゃんが、子供に成長して自分の自転車に乗り、成長して自転車で通学したり、仕事したり、旅したりして、親になって子どもを乗せて保育園に行ったりする。年を取ってからは三輪の自転車に乗り、いつか車いすに乗ることもあるかもしれない。
…そんな人生に寄り添っていく自転車たちの姿を描けたらいいなと思い、このような絵柄になりました。
「LIFE×CYCLE」手ぬぐい
自転車は人生だ。
色は二色です。某自転車っぽい色と、対照的な暖色です。/1,500円

 

二店目は、「一軒家カフェ ikkA」さん
コーヒーを出さないカフェです。
ikkAさんは、お茶専門カフェで、沢山の種類のお茶を常時揃えており、体調などを言うとおすすめのお茶を出してもらえたりもします。
カフェといえばコーヒーの世の中で、お茶しか出さないお店は大変珍しいと思いますが、ikkAさんはとりたてて「売り」にするでもなく、ブログでは「お茶が大好きでikkAをはじめました。」とサラッと伝えるのみ。
ですが、産地にお茶摘みに行ったり、ケニアまで出かけたり、「好き」の強度は相当なもので、そのギャップが「ああ、純粋に好きというのはこういうことなんだな」と思わされます。
そんなikkAさんには、沢山の仲間がいます。ikkA2階にある、ろうそく屋「オレンジろうそく」さんと、ふるほん屋「甘夏書店」さんをはじめ、壁面ギャラリーを利用したり、しなかったりする手作り作家さんたち、常連のお客様などなどです。
皆、対象は違えど「好き」の強度が凄いことに共通点があるように感じます。皆、何かを愛している人たちなのです。

 

ikkAさんの特徴的なイベントに「茶話会のようなもの」があります。「何かに詳しい人に話を聞く」「何かが好きな人が好きなものを持ち寄って自慢しあう(甘夏書店さんの「じまんの会」)」というようなものです。
お茶を片手に、自分の好きなものや、他の人の好きなものを認め合う。そこには勝敗も上下も、プレゼンもセールスありません。

 

ikkAさんの手ぬぐいを制作することになったとき、「ikkAさんの魅力とは何か?」いろいろと考えました。お茶の本を読んだりもし、お茶の入れ方的な手ぬぐいはどうかな~などとも考えました。

 

しかし、ikkAさんの魅力はお茶そのものではなく、そういう「みんなが出す空気」のようなものなのだと思うのです。
そんな空気をイメージして手ぬぐいを作りました。

 

お茶大好き手ぬぐい。

こちらも二色。緑茶と紅茶のイメージです。/1,500円

私のほうで通販したりイベントで置いたりしますが、ぜひ二つのお店に行ってみて、お買い上げいただければいいなと思います。この手ぬぐいに興味をもってくださったなら、どちらのお店のことも好きになってくださることとと思います。